■遷宮を知る。遷宮を迎える伊勢と出雲に旅する前に、心すべきこととは。Q1 ご遷宮の祭儀・行事の行われる日も、お参りできますか? A 伊勢 参拝時間中は普段通り、お参りいただけます。 ただ、ご神事の行われる最中はご参拝をお待ちいただきます。 出雲 御遷座までは、御仮殿にお参りいただけます。 ただ、本殿遷座当日は、準備のために御仮殿から離れた囲いの外からのご参拝になろうかと思われます。 Q2 ご遷宮の祭儀・行事は、一般の参拝客が見ることはできますか? A 伊勢 祭儀についてはご覧になれません。神職が参道を進む様子をご覧になることは可能です。 出雲 殿内での神事はご覧になれませんが、社殿外で行われるものや奉祝行事はご覧になれます。 Q3 地元民以外も参加できる行事はありますか? A 伊勢 伊勢市民でなくても特別神領民になれば、新しい御正殿の敷地に敷きつめる御白石(おしらいし)を奉納する御白石持行事に参加できます。 ただし、一般公募はされず、神社庁・神社本庁の推薦団体限定。氏神さまなどで募集があれば、申し込みを。 Q4 ご遷宮に際して見られる、何かめずらしいことはありますか? A 伊勢 御白石持行事(おしらいしもちぎょうじ)では、御白石奉献のため普段は入れない内院まで進んで、真新しい御正殿を間近に見ることができます。 出雲 平成のご遷宮では、前回の昭和遷宮の際はなされなかった「ちゃん塗り」が行われました。 真新しい御本殿では、銅板に黒色の「ちゃん塗り」をほどこされた千木(ちぎ)・勝男木(かつおぎ)などをご覧になれます。 Q5 本殿から新殿へ、また御仮殿から御本殿へ、神様はどうやって移動なさるのですか? A 伊勢 明かりのない浄安(じょうあん)の中、ご神体は白い絹垣に囲まれて神職たちに守られながら本殿を出御。粛々と渡御し、神殿に遷られます。 出雲 夜の7時、神職の担ぐ御神輿にお遷りになったご神体は白い絹垣に覆い隠され御本殿へ。瑞垣(みずがき)沿いに一周し、内陣のお社に遷られます。 すべては浄闇の中で執り行われます。 Q6 ご神宝って何ですか?ご神体とは違うのですか A 伊勢 ご神体とご神宝は別のものです。 ご身体は御霊代(みたましろ)の宿る場所やもの。伊勢神宮内宮のご神体は八咫鏡とされています。 一方、神宝とは調度の品で、伊勢神宮では太刀や弓などの武器、楽器、織り機など714種、1576点を数えます。 式年遷宮のたびに新調され、これにより貴重な伝統工芸の技が受け継がれています。 Q7 お遷りになる場所に、何かいわれはありますか? A あくまでも伊勢地方の言い伝えとしてですが、「遷宮は時代の転換点となることが多い」とされ、俗に、西から東への遷御が米座、東から西への遷御が金座と呼ばれてきました。 「神様が東におられる時代は平和で心豊か」な「精神の時代」になり、「神様が西におられる時代は波乱、激動」の「経済の時代」になるという俗説があります。 |